金融機関等でお金を借りるときに審査があります。なんとしてでもお金を借りるためについ嘘をついてしまったり、嘘をついてでもお金を借りる必要があることもあるでしょう。
金融機関側も慈善でお金を貸しているわけではありません。お金を借りる時に返済の見込みがあるのか等について嘘がないか、徹底的に調べますので、もちろん嘘はバレます。
ここでは、お金を借りるときに嘘をついたらどうなるか、についてまとめていきます。
カードローンの審査で嘘をつくのは要注意!!
審査でつい嘘をつきたくなりがちな項目
お金を借りるときに審査でつい嘘をつきたくなりがちな項目は何でしょうか?
- 本人情報
- 勤務先
- 年収
- 他社借入件数や借入残高
記載した項目を書き間違えてしまった!なんてこともあるでしょう。しかしごまかすつもりが無くても、金融機関側からするとそれは虚偽申告になります。
お金を借りるという事は単純に信用問題です。審査に落ちた、審査に通らないという人も、たとえ他の金融機関の審査で嘘をついても同様に通りませんので、素直に申告しましょう。
お金を借りるときのカードローン審査で嘘がバレたらどうなる?
審査中に嘘がバレた場合は、その時点で審査が打ち切りになり「審査落ち」という記録が残ります。当然お金も借りることはできません。
もし審査通過後に嘘がバレた場合は、強制解約となり一括返済しなければなりません。もちろん分割返済もできませんので、もし返済ができず滞っていると差し押さえになります。
そして最悪の場合、詐欺未遂罪・詐欺罪に問われる可能性があります。
本人情報で嘘をつく…虚偽申告をしたら?
嘘をつきたくなりがちな項目ごとに、一つ一つ見ていきましょう。
お金を借りる時に本人情報の項目で身分を偽る嘘
本人情報で嘘をつく方はあまりいないかもしれませんが、以下のような理由で嘘をついてしまうこともあるかもしれません。
- 複数のカードローンでお金を借りるつもりだから
- 他社借入を行っていて審査が不利になるから
- ブラックリストに載ってしまっているから
- お金を借りることができる年齢ではないから
確かに上記のような状況では審査に通りづらい可能性は高いです。
ですが、金融機関側は書類に書かれた情報を以下と照合することでチェックをします。
- 身分証明書(必須の提出書類)
- 在籍確認(必須の審査の方法)
- 信用情報機関にあるデータ(他社借入状況や過去の金融事故を保管)
上記を照合されると間違いなく嘘はバレます。
相手もお金を貸す立場として身分が分からない人=高リスクの人には当然貸付しません。身分を偽ってお金を借りるなど、もってのほかです。
年収、勤務先や勤続年数で虚偽申告をしたら?
年収、勤務先や勤続年数の項目で内容を偽る
お金を借りるための審査を受けるのに必要な記載事項として「勤務先」「勤続年数」「年収」の項目があります。
ここでの嘘も簡単にバレてしまいます。
年収
お金を借りるとき返済能力を知るため、特に「年収」は最も重要な確認項目と言えます。
これは個人情報になるので、多少多めに年収を記載しても金融機関にはバレないと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違いです。年収の嘘は簡単にバレます。
なぜなら金融機関はお金のプロで、年齢や勤続年数、勤務先を聞けば、だいたいの年収は分かってしまうからです。怪しいと思われた場合は、収入証明書の提出を求められる場合もあり、そうなると言い逃れできません。
金融機関の確認事項の項目で嘘が一番多いのは「年収」ということなので、むしろここは慎重に確認されると思っておきましょう。
勤務先
また、お金を借りることを勤務先に知られたくないために、嘘の勤務先を書く人もいるかもしれませんが、勤務先の嘘もすぐバレます。
なぜなら、審査では「在籍確認」といって、必ず勤務先に電話確認されますので、嘘の勤務先を書いても電話すればすぐ分かってしまいます。
勤続年数
勤続年数が信用情報機関に登録されているデータと違いがあれば、金融機関は健康保険証の提出を求めます。
健康保険証には被保険者となった日付が書いてありますので、勤続年数の嘘はすぐにバレてしまいます。もちろん嘘が見つかればその時点で審査終了、審査落ちです。
ただ、嘘をついてお金を借りたわけではありませんので、犯罪まで問われることはありません。
他社借入状況や借入残高で虚偽申告をしたら?
他社借入状況や借入残高も、審査では必ず確認されます。
お金をできるだけ多く借りるためにも隠しておきたい気持ちは分かりますが、これも間違いなくバレます。
特にお金を借りる金融機関が消費者金融の場合は、「総量規制」の貸付のルール上「融資は年収の1/3まで」と決まっていますので、金融機関側もその確認を怠りません。
どのようにして確認するかというと、金融機関は信用情報機関にある記録で、他社で何件借入れ、そしてどの位お金を借りているか把握しています。
信用情報機関とは
この信用情報機関とは、個人信用情報の収集及び提供を行う機関で、3つの機関があります。
- 日本信用情報機構(JICC):消費者金融系の信用情報機関
- CIC:信販会社・クレジットカード会社系の信用情報機関
- 全国銀行個人信用情報センター(JBA):銀行や銀行系クレジットカード会社、銀行系の信用保証協会の他、農協、信用組合、信用金庫など銀行と同視される金融機関の信用情報機関
各消費者金融や銀行などは、これらの中の1つまたは複数の機関に加盟しています。
通常、この3つの機関は各々が情報を管理・収集していますが、事故情報、いわゆるブラックリストだけは相互に利用できるようになっています。
詐欺罪や債務整理について知っておこう
金融機関や人からお金を借りたら、その瞬間から返済義務が生じることは言うまでもありません。万が一、返済が遅れてしまった場合に、ウソの理由を伝えると詐欺になる可能性はあるのでしょうか。
結論から言えば、借金返済に関する詐欺罪の成立の有無については、借入れしたタイミングが重要ポイントとなります。極端な例を挙げると、お金を借りる時からまったく返済の意志がないのに「●●日までに返済する」と偽った場合、借りたお金を受け取る時点で詐欺罪となります。
しかし、ここで注意すべき点が1つあります。返済が遅れた場合にお金を借りた人に対して、ウソの理由を伝えた場合、詐欺罪ではなく詐欺利得罪に問われることとなります。
詐欺罪と詐欺利得罪の違いは、下記の通りです。
- 詐欺罪とは人を欺いて金銭や物品を受け取ること(無銭飲食・債務を免れる行為など)
- 詐欺利得罪とは人を欺いて財産としての利益を得る行為
お金を借りた場合、返済が遅れる理由や言い訳でウソをついた場合、詐欺とみなされる可能性があることを念頭に置いておかなくてはなりません。
債務整理を行うことで詐欺罪に問われる可能性は?
借りたお金が返済できなくなった場合、債務整理という選択肢があることを視野に入れておく必要があります。債務整理を行うことによって、借金の減額または債務自体を消滅させるため、お金を貸す側の金融機関としては、なんとしてでもこれを阻止しようという狙いもあります。
「お金を借りる理由」での嘘・言い訳、使い道次第では最悪詐欺になってしまう
さすがに信用情報機関でもお金を借りる理由までの項目はありません。そのため、申込書に記入した理由で嘘を書いても、データの照合はできません。
ましてお金を借りる理由は、後追い調査ができず、借りたお金を何に使ったのかは知ることができないので、バレることはありません。そもそも、お金を借りる理由は基本的に自由なので、わざわざ嘘をつく必要もありませんね。
家族や周りの人にお金を借りる時の無難な理由・言い訳
カードローンの申込み時に嘘の報告をしてまで審査をクリアすることを考えるよりは、家族や周りの人に相談した方が良い解決策が見つかりやすいです。
家族や周りの人にお金を借りる時の無難な理由・言い訳として、5つ挙げておきます。
- 仕事の関係でお酒のお付き合いでお金が必要になった
社会人は職場でのお付き合いや、会社関係の飲み会に参加する機会が増えます。お金を借りる時は「次の給料日には必ず返すから」と固く約束することです。
- 病気の治療費が少し足りない
「病気にかかり、治療費が少し足りない」と言えば、家族と周りの人にも納得してもらえるはずです。
- 冠婚葬祭のお付き合い
お金を借りる理由として、「今月は結婚式や葬儀が重なってしまって、お金が足りない」と言えば、納得してもらえる可能性大です。
- 引越し費用が足りない
急な引越しや転勤では、荷物の運搬費用を引越し業者に支払い、引越し先の入居費用として礼金・敷金・家財保険・保証会社に支払う費用などが発生します。
- その他の理由と言い訳
突然のハプニングを理由にする方法もあります。「自宅に空き巣が入った」「スリの被害に遭った」「財布を落としてしまった」など。お金を借りる理由としては相手に納得してもらえる可能性は高いですが、一度きりしか使えません。
お金を借りる際の注意点
お金を借りることでこれまで築いていた友情や信頼関係が崩れてしまう可能性もあります。ただし、信用情報機関でもお金を借りる際にも、以下のような点では注意が必要です。
お金を借りる時にカードローンでのギャンブル・投資は禁止!
カードローンにおいてギャンブル目的や投資資金の利用は禁止ですので、万が一バレてしまった場合は、最悪は詐欺罪で訴えられることもあります。
ただ、借り入れ後は後追い調査ができませんので、バレる可能性は低いですが、最悪の場合は犯罪を犯すことになってしまいますので、十分注意しましょう。
お金を借りる時にクレジットカードのショッピング枠の現金化は要注意!
審査が既に通ったクレジットカードのショッピング枠をお金に換える(現金化)のは、相手に嘘を言ったのと同じことになります。
カード会社には必ず会員規約があり、会員規約の中に換金目的のカードの利用は禁止する旨が書いてあります。それを承諾した上でクレジットカードを申し込みお金を借りることになりますので、バレたら強制解約や利用残高の一括返済を求められます。
ちなみに、カードの強制解約は「金融事故」として信用情報に残りますので、5~10年間はローン契約やクレジットカードを作るなど、お金に関する契約は一切できなくなります。
まとめ
嘘がバレたらどうなる?
審査中に嘘がバレたら、審査打ち切り・審査落ち。
審査通過後に嘘がバレたら、強制解約・一括返済。
最悪の場合、詐欺未遂罪・詐欺罪に問われる可能性も。
本人情報の嘘
身分証明書、在籍確認、信用情報機関にあるデータと照合するのでバレる。
勤続先や年収の嘘
金融機関の確認事項の項目で嘘が一番多いのは「年収」!
勤務先は、在籍確認でバレる。
他社借入件数や借入残高の嘘
金融機関は信用情報機関にある記録で、他社でお金を何件借入れ、どの位お金を借りているか把握しているため、バレる。