未成年でお金を借りる方法|16・17・18歳の高校生が親の同意なしで借入可能?

17歳以下の高校生や未成年がお金を借りたいと考えた時に「親の同意なしでお金を借りることはできないのでは」「法律で罰せられるのでは」といった疑問や不安が出てくるのではないでしょうか。

未成年がカードローンやキャッシングでお金を借りること自体が刑罰の対象になることはありません。しかし民法上での制限はあります。銀行・信用金庫・消費者金融などの金融機関では年収や年齢による制限が定められているため、未成年は借り先が限られています。

そこで、この記事では未成年でもお金を借りることができる方法について解説します。
後半では、お金の借入先が見つからない時の対処法・注意点、未成年のお金の借入れに関する不安を解消するためのQ&Aも掲載しています。お金の借入れが不安な未成年に向けて、ファイナンシャルプランナーからのアドバイスもお伝えしますので必見です。

目次

未成年でお金を借りる行為は合法!しかし民法の制限で選択肢は少ない

未成年がお金を借りる行為は民法で制限されている|大手金融機関の年齢制限一覧もご紹介(18・19歳OKもあり)

未成年でお金を借りること自体に違法性はなく、融資を受けることは可能です。しかし、民法上の制限により、お金を借りる手段では選択肢が少ないのが現状です。
2022年 (令和4年) 4月1日施行の民法改正により、成人は満18歳、未成年は18歳未満となりました。未成年を対象にお金の貸付に対応できる金融機関も実在しており、その金融機関での借入れであれば法律に抵触することもなく、逮捕や罰せられる心配はありません。
しかし、17歳以下の高校生や未成年は社会人としての経験や経済力、判断力に乏しく、単独で契約をする場合は親の同意が必要となるのが一般的です。多くの金融機関では申し込みの年齢条件が厳しいため、自分の意思決定でキャッシングやカードローンでお金を借りるのは難しいです。

令和4年(2022年)から成人は満18歳、未成年は18歳未満に変わった

平成30年6月13日、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立し、令和4年4月1日から施行されました。

引用元:法務省 公式サイト「民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について」

18歳未満が金融機関からお金を借りるのが難しいのは『未成年者取消権』があるから

未成年者が金融機関でお金を借りるのが難しい理由のひとつとして、未成年者取消権による効力が発揮されることが挙げられます。

未成年者取消権とは

未成年者が、親など法定代理人の「同意なし」で結んだカードローン契約は、お金を借りた後であったとしても契約を反故にすることができます。親は、後からでも契約を取り消すことが可能なのです。
未成年者が不当な契約の取り交わしにより不利な状況になるのを防ぐために与えられた権利であり、消費者を保護するための対策のひとつでもあります。

未成年者取消権の対象年齢も、令和4年(2022年)の民法一部改正により、以下のように変更になっています。

2022年4月1日から民法上の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。 成人になる(成年に達する)と、保護者の同意なしに契約などができるようになり、これまで未成年者取消権が認められていた18歳、19歳の方は、未成年者取消権が認められなくなります。

引用元:消費者庁 公式サイト「「18歳から大人」特設ページについて」

契約取り消しのリスクを回避するために、金融機関では未成年者は融資の対象外とするケースが多いです。
親の同意を得て申し込みした場合でも、そもそも未成年者は社会人としての経験が浅く、年収が少なく返済能力が低いため、審査に落ちやすいです。そのため、未成年者は金融機関でのお金の借入れはほぼ不可能に近い状況にあります。

18歳成人になったとしても、消費者金融で契約がOKなのはプロミスだけ

18歳で成人になれば、親の同意を得ずにクレジットカードの作成・マンションなどの賃貸住宅の契約などが自分の意思決定で単独でできるようになります。
ただ、支払い・返済能力が問われるため、審査の結果、契約が不可となるケースもあります。そもそも、多くの銀行系カードローンや消費者金融カードローンでは、満20歳以上の安定した収入のある人が対象となっているため、申し込み不可となります。

2024年9月時点において大手消費者金融で18歳以上の成人が申し込み対象となっているのは、唯一プロミスのみです。
ただし、18歳になった人がプロミスで申し込みを行う際には、本人確認書類と合わせて収入証明書の提出が必須となり、正社員・パート・アルバイトなど、安定した収入のある人に限られます。年齢条件を満たしていても、収入のない無職の方は申し込み対象外です。
また、プロミスの借入限度額は500万円ですが、申込者が18歳・19歳の場合は最大で50万円程度までしか認められない傾向にあります。

未成年でもお金を借りる・用意する8つの方法

未成年でもお金を借りる方法|クレジットカード(家族カード)なら可能

16歳・17歳・18歳未満の高校生や未成年者は、銀行や消費者金融などの金融機関でお金を借りるのは難しいですが、法律に抵触することなく安全で確実にお金を借りる方法・現金を用意する方法はあります。ただし、未成年者は安定した収入が得られないため、あくまでも一時的に行う対策として認識しておいて下さい。

未成年者を対象としたお金を借りる方法では、以下の通り主に8つの方法があります。各方法の特色・長所・短所・注意点を理解した上で、ニーズに見合う最適な手段をお選び下さい。

クレジットカード(家族カード)

18歳未満の高校生や未成年者は、単独でのクレジットカード申し込みは不可ですが、家族カード対応のクレジットカードなら利用できるケースもあります。
定期券機能付き・国内外旅行保険・ショッピング保険が付帯された家族カードやポイント還元率が高いカードなど、さまざまなメリットがあります。

ここでは18歳未満の未成年や高校生でも利用可能なクレジットカードの家族カードをご紹介します。

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カード名年会費申し込み対象特徴・メリット
三井住友カード(NL ナンバーレス)/ (CL カードレス)永年無料満15歳 ~ 満18歳 (ただし中学生を除く)
※高校生は海外留学の目的限定で家族カードを作成可能
・ポイント還元率0.5% ~ 10.0%
・カードにはセキュリティコード・有効期限・カード番号の情報が記載されていないため安全・安心
・スマホ完結のカードレス対応あり
三菱UFJカード VIASOカード無料高校生を除く18歳以上・最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯
・ショッピング保険の年間限度額は100万円
・インターネットや携帯電話の利用でポイント2倍
JALカード家族会員1,100円 (税込) ~ 17,050円 (税込)
※初年度は最大1年間は年会費無料 (JALアメリカン・エキスプレスカードを除く)
満15歳以上満18歳以下の高校生 (中学生は除く) がホームステイ・留学の目的で保護者をともなわずに海外に滞在する場合は同意書の提出で申し込み可能(ただしJALカードSuicaは除く)・本会員がJALカードプレミアム入会済みなら家族会員の利用金額に応じてショッピングマイル (ポイント) が2倍貯まる
・家族でマイルを合算可能
アメリカン・エキスプレスグリーンカードのみ月会費550円 (税込)
ゴールドカード年会費 1枚目無料
※2枚目以降13,200円 (税込)
18歳未満の高校生でホームステイや海外留学の目的であれば申し込み可能 (14歳以下の子どもは家族カードの発行は不可)・家族カードの利用金額に応じてポイントが貯まり会員にまとめて合算
・家族カードの利用で旅行やショッピングで保険が付帯される
三菱UFJカード  永年無料高校生で進学先や就職先が決まっている場合は卒業する年の1月以降に申し込み可能・海外旅行傷害保険とショッピング保険が付帯
・1,000円で1ポイント貯まる、1ポイントにつき最大5円で交換OK
・対象となる飲食店やコンビニでの利用でポイント還元率が最大15%
楽天カード永年無料
※楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカード会員は550円 (税込)
高校生を含む18歳・楽天グループ以外での利用でも100円ごとに1ポイントずつ貯まる
・家族間でのポイント移行も可能
ビューゴールドプラスカード 「ビュー・スイカ」カード (定期券機能付き) 「ビュー・スイカ」リボカード(定期券機能付き)  1枚目は年会費無料、2枚目以降は3,300円 (税込) 定期券機能付きに限り524円 (税込) 定期券機能付きに限り無料高校生は原則として申し込み不可 (3月卒業予定の高校生は2月からの申し込み可能・ただし18歳未満は不可)・家族カードは最大9枚まで申し込みOK
・家族で貯めたポイント移行も可能
・Suica機能付き
・貯まったポイントをSuicaにチャージ可能
イオンカード
 (WAON一体型)
入会金・年会費無料18歳以上の高校生は卒業年度の1月1月以降の申し込みは可能・審査・カード発行は最短即日
・Web申し込みならイオンウォレットで受取りスマホ決済を利用可能)
・200円ごとに1ポイントずつ貯まる (1ポイント = 1円)
・ポイント特約店では通常の2倍ポイント付与
・貯まったポイントをdポイントやJALマイルへの交換も可能
・国内外でのショッピング保険付き

デビットカード

銀行の普通預金口座と紐付けされたデビットカードは、口座残高の範囲内で使った分だけ即決済される仕組みです。後払いアプリやクレジットカードとは違い即時決済であるため、延滞が発生することもなく督促時用が届く心配もありません。
ただし、銀行口座の残高が不足した場合は決済ができないため、利用の際には必ず残高をチェックしておくのがポイントです。

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カード名年会費申し込み対象特徴・メリット
Oliveフレキシブルペイ(三井住友銀行)【一般】永年無料
【ゴールド】初年度・翌年度以降5,500円 (税込)
満18歳以上 (高校生を除く)・クレジットカード・キャッシュカード・デビットカード・ポイントカード・保険・証券まで1つのアプリでまとめて管理
・対象の飲食店やコンビニでポイント最大20%還元
・国内外のVisa加盟店で使える
三井住友銀行のSMBCモビット デビットカード
※2023年11月22日以降は新規申し込み受付終了
無料中学生を除く満15歳以上・ポイント還元率0.5%
・キャッシュバック率0.25%
・Visa・iDマークのある国内外のお店で利用可能
イオン銀行キャッシュ+デビット無料中学生を除く15歳以上・国内外のJCB加盟店にて使える
・ショッピング保障あり
・1枚でキャッシュカード・デビットカード・クレジットカードの機能
・カードの提示で割引特典あり
三菱UFJ-VISAデビット無料・利用金額に応じて0.2%キャッシュバック
・国内外のVisa加盟店で利用可能
・不正利用補償や国内外ショッピング保険付き
・Visaの非接触型タッチ決済にも対応可能
・アプリにカードを登録しておけばスマートウォッチ決済やスマホ決済もOK
・利用限度額の設定ができる
セブン銀行 デビット付きキャッシュカード無料申込み時の年齢が満16歳以上でセブン銀行口座を取得した方・デビットカードの種類はnanaco一体型とnanaco紐付型の2種類
・国内外のJCB加盟店での支払いに利用可能
・海外のJCB対応のATMで現地通貨の引き出しができる
・nanacoポイントは利用金額に応じて0.5%貯まる
みずほデビットカードサービス(J–Debit)無料日本在住で中学生を除く15歳以上・J–Debitマークのある加盟店にて使える
・利用限度額は普通預金の残高の範囲内 (1日に50万円以内)
・希望に応じて利用限度額の変更が10万円~50万円まで10万円単位で設定できる
Visaデビット付きキャッシュカード (スルガ銀行)
※SURUGA Visaカードは新システム移行にともない2023年1月31日で取り扱い終了
無料中学生を除く15歳以上・Visa加盟店でのタッチ決済に対応
・入金は最寄りのコンビニATMにて手数料無料
・Visa・PLUSマーク表示のある海外ATMで現地通貨の引き出しも可能
・カード盗難・ショッピング補償あり
ゆうちょ銀行のVisaデビット無料申し込み時点で中学生を除く15歳以上・キャッシュカード一体型
・タッチ決済機能搭載
・国内外のVisa加盟店で利用可能
・本人認証サービスに対応で万全なセキュリティ
・利用金額に応じて0.25%の金額をゆうちょ口座にキャッシュバック
楽天銀行デビットカード無料16歳以上の学生や主婦の申し込みも可・普通預金口座の残高の範囲内で支払い可能でチャージ不要
・100円ごとに1ポイント貯まる (1ポイント1円)
・1日の利用限度額を1,000円単位で設定できる

ゆうちょ銀行の自動貸付け

ゆうちょ銀行の自動貸付制度は、ゆうちょ銀行に預けた定期貯金・定額貯金を担保にして、一定額までの借り入れにより、貸越利息を支払う仕組みです。とくに年齢制限の縛りがなく、学生や無職の未成年でも利用することができます。
借入れ期間は初回の借入れ日から2年間ですが、借入れ回数の制限はとくにありません。
担保定額貯金を担保として自動貸付制度を利用する場合は、返済時の約定金利に0.25%を加算した利率が適用金利となります。担保定期預金では預け入れた時の約定金利に0.5%を加算した利率が適用金利となります。

ゆうちょ銀行の自分名義の定期性貯金

ゆうちょ銀行に自分名義の定期性預金 (定期貯金・定額貯金) があれば、18歳未満の未成年者でも貸付制度を活用してお金の借入れが可能となります。双方とも毎月一定額を預けるという点では共通していますが、定額貯金は初回預け入れ日から6ヶ月経過後は払い戻しの時期に制限はありません。定期貯金は払い戻しはいつでも自由で、預ける期間を任意で設定します。
ゆうちょ銀行では定期貯金・定額貯金の一部解約には対応できません。そのため、解約せずにゆうちょ銀行からお金を借りるのなら貯金を担保にして融資を受けるのが安全で確実な借り方です。審査不要で面倒な手続きも必要なく、最短即日でお金を借りることができます
1つ注意点を挙げると、未成年の場合は自分名義の貯金であっても通帳口座は親が管理しているケースも多いため、お金を借りたい時は親に事情を話して理解を得ておくことが重要です。

高校生向けの奨学金

学費・教育費を賄う目的でお金が必要となった場合は、高校生向けの奨学金を利用する方法もあります。

高校生を対象とした奨学金

  • 都道府県による高校生等奨学給付金 (給付型)
  • あしなが育英会 (給付型・貸与型)
  • 交通遺児育英会 (貸与型)
  • 公益財団法人日本教育公務員弘済会(給付型・貸与型)

ただし、奨学金制度を利用する際には世帯年収や学業の成績など、利用条件が定められています。貸与型の場合は返済する義務が生じるため、借入れの前に無理のない返済計画を立てることが重要です。

アルバイト先で給料の前借り

アルバイトをしている場合、事情によっては給料の前借りに対応してもらえる場合があります。
本人とアルバイト先での問題であるため、給料前借りの事実があったとしても家族にバレることはまずありません。ただし、給料の前借りを行った場合は、次の給料で借りた分のお金が相殺されます。

従業員貸付制度(正社員で、会社に制度があれば)

未成年者が正社員として雇用されている場合、福利厚生の一環として従業員貸付制度に対応している企業もあります。

従業員貸付制度とは

勤務先の企業が従業員を対象に、無利息または低金利でお金の貸付を行う制度です。

給料の前借りとは違い、従業員貸付制度では企業が得た利益からお金を借りることのできる仕組みです。そのため、この制度を利用しても翌月以降の給料には影響がありません
事前に審査が実施されるケースもありますが、信用情報機関への照会や情報の開示はありません。

後払いアプリで支払いを先送りにする

携帯電話を持っている未成年者は、後払いアプリを使って商品代金やサービス利用の支払いを先送りにすることもできます。後払いアプリで代表的なものを挙げると、atone (アトネ) 、メルペイスマート払いなどがあります。

ただし、未成年者の場合は後払いアプリを提供する会社の規定により、「事前に親権者の承諾・同意が必要」となっている場合もあります。
また、後払いアプリを頻繁に使うことで支払いの負担が増えるため、必要最小限の利用にとどめましょう。支払い期日に遅れると、手数料や損害遅延金の負担が重くなります。後払いアプリを提供する企業が信用情報機関に加盟している場合は、信用情報に傷がつくリスクが高いため要注意です。

どこからも借りることができない場合の対処法~未成年でも安心安全な借入れ・お金の工面方法~

どこからも借りられない場合の対処法|親・兄弟・友人に相談、バイト、フリマアプリ、生活保護を検討しよう

高校生を含む未成年の場合は、年齢制限や年収の関係により消費者金融や銀行などの金融機関でお金を借りるのが難しいですが、安全にお金を借りる方法は確実にあります。
ここでは、家族や友人からサポートしてもらう方法や、お金を工面するための具体的な手段について、各方法の特徴・メリット・デメリット・注意点を解説します。

親や友人

お金に困っていて今すぐにでも必要になった時にもっとも安全な方法は、親や友人からお金を借りることです。身近に信頼のおける知り合いや友人がいれば、お金の借入れについて相談してみるのも1つの策です。
ただし、お金の借入れを希望する本人が未成年で安定した収入がなく、相手への配慮も求められるため、高額の借入れを依頼するのは避けるべきです。

親・友人からお金を借りる際のポイント

  • お金を借りる必要性と理由を正直に伝える
  • 返済期日を必ず決めて書面に残して双方で借用書の取り交わしを行う
  • 「借りたお金は必ず返済する」との誠意を示すこと
  • 無理のない返済計画を立てて実行すること

フリマアプリ

自分の所有する持ち物をフリマアプリで売却して現金を得る方法もあります。
ただし、未成年者がフリマアプリを利用する場合は事前に親権者の同意を得る必要があります。フリマアプリで売却したい物がある場合は、利用規約を必ずご確認下さい。
出品した物が売れて発送・受取までに時間を要することもありますので、即日で現金化するのは難しいのがデメリットです。また、フリマアプリでの品物の売買は個人的な取引となりますので、金銭トラブルにならないように細心の注意を払いましょう。

アルバイトをする

高校生や18歳未満の未成年者はアルバイトでお金を稼ぐこともできます。短時間のアルバイトなら学業と仕事と両立させることも可能です。
ただし、アルバイトの働き先によっては、親権者の同意が必須となる場合もあります。

16歳・17歳・18歳の高校生や19歳に達していればアルバイトの働き先も見つかりやすいですが、中学生の場合は原則としてアルバイトなどの労働は法律で認められていません。労働基準法では雇用する側 (使用者) の規定として、「満15歳に達してから最初の3月31日が終了するまでの間は、雇用は不可 (働かせてはいけない)」とあります。ただし、新聞配達のアルバイトや映画・演劇関係の子役などは労働基準法第56条第2項により、例外的に認められています。

生活保護

家計が厳しく、他にお金を借りる術 (すべ) が見つからない場合は、最終的な手段として生活保護を受けることを視野に入れてはいかがでしょうか。
生活保護は生活に困窮している人を対象に、経済的に自立した生活を目指して援助するための国の公的な制度です。生活保護の申請には一定の要件があり、資産・生活状況に関する調査が実施されます。申請日から原則して14日以内に受給の可否について結果がわかります。
生活保護が開始されるまでの間に、当面の生活資金がない場合は、社会福祉協議会による臨時特例つなぎ資金貸付の利用ができるケースがあります。
ただし、未成年者が生活保護を受けるにあたり、親権者の同意が必須となるのが一般的で、申請手続きの前には家族と話し合い、円滑に進めるための努力が求められます。

誰にも相談できないなら、公的な相談窓口を頼る

お金の借入れで困ってもだれにも相談できない時には、地方自治体やNPO法人による無料の相談窓口を利用するのもおすすめです。法律の観点に基づいた適切なアドバイスを受けて、必要に応じて支援を受けることもできます。
自治体によっては未成年者を対象とした相談窓口が設けられている場合もあります。個人のプライバシーは確実に保護されるので、安心して相談できます。お金に関わる困り事を自分ひとりで抱え込まずに、専門家に相談しておくことで、適切な解決策を提案してもらえることもあります。

お金の問題も含めて、日常の生活におけるさまざまな困り事を安心して相談できる公的な相談窓口は以下の通りです。無料のフリーダイヤルで相談できる窓口も多いですが、一部の機関では有料となります。

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相談窓口電話番号受付時間特色
24時間子供SOSダイヤル0120-078310(全国共通ダイヤル)24時間対応 ・未成年者が抱えるさまざまな悩みを無料で相談できる
チャイルドライン0120-99-7777  毎日16時 ~ 21時・18歳までの子ども・未成年者が対象
・電話・公式サイトからのチャットでの相談に対応
・全国各地で約2000名の相談員が対応
・公衆電話や携帯電話での通話もOK
・050で始まるIP電話は繋がらないことがある
法テラス0570-078374(固定電話・携帯電話・公衆電話に対応)
03-6745-5600(IP電話・プリペイド携帯・海外からの通話に対応)
平日9時~ 21時
土曜日9時 ~ 17時
・法的トラブルに該当するかわからない未成年者も気軽に相談できる
・オペレーターが相談内容に応じて法制度や相談機関を紹介
・公式サイトからメールフォームによる相談にも対応  
一般社団法人日本いのちの電話連盟0570-783-55610時 ~ 22時・新規利用者登録手続き後はインターネット相談にも対応
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」189 ・こども家庭庁による無料の電話相談窓口
・18歳までの子供や未成年者が対象
・固定電話から掛けた場合は児童相談所に転送
こどもの人権110番0120-007-1108時30分 ~ 17時15分 (月曜日 ~ 金曜日)・法務省による無料の相談窓口
・一部のIP電話からは通話不可
・メールフォームやLINEによる相談にも対応
こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556都道府県ごとに異なる・厚生労働省による電話相談窓口 (通話料は有料)
・都道府県が実施する公的相談窓口に接続

未成年者がお金を借りる時の注意点

未成年がお金を借りる時の注意点|違法業者・SNSは危険!

未成年のお金の借入れに対応可能な金融機関もありますが、未成年がお金を借りることに関してはさまざまなリスクがあります。未成年の学生や社会人はまだ年収が少なく、働いた経験も少ないため、安定した収入を得るのが難しいです。法律や社会的な制限が設けられていることもあり、安易な気持ちでお金を借りると思わぬトラブルに遭遇する可能性もあります。
ここでは未成年がお金を借りる時の注意点として、以下の通り2つの事項について解説します。

・「年齢制限なし・審査なし・親の同意不要」で即日でお金を貸す業者には要注意
・SNSによる個人間でのお金の貸し借りは危険

自分の身を安全に守るためにはもちろん、友だちなど自分の周りの人の金銭的なトラブルを未然に防ぐためにも、必ず以下の2つの注意ポイントを理解しておいて下さい。

「年齢制限なし」「審査なし」「親の同意不要」など謳う違法業者はNG

「審査なしで融資」「年齢制限なし」「親の同意不要」といった謳い文句を強調する業者には警戒すべきです。審査をせずに誰でも無条件にお金を貸付する業者は闇金である可能性が極めて高いです。

闇金の主な手口の特徴

  • 実店舗やオフィスを持たず、携帯電話やSNSのみで連絡のやりとりをすることで追跡ができないように仕向ける
  • 本人だけではなく家族にも取り立ての電話や訪問が来ることがある
  • 法外な高金利でお金を貸す
  • 急に連絡がつかなくなる

銀行法に基づいて営業している銀行や、貸金業法に基づいてお金の貸付を行っている消費者金融やクレジットカード会社など、正規の事業者では必ず申し込み後に審査を実施しています。

一方、審査なしで最短即日でお金の貸付を行う業者は法律による規制を無視した違法な業者であり、法外な高金利で返済を迫るのが大きな特徴です。違法な業者とは気づかずにお金を借りた場合、借入れまではスムーズですが、返済に行き詰まり、さらには個人情報が悪用されるリスクも発生します。
未成年をターゲットとする悪質な業者も潜んでおり、電話では親切な態度で融資を受けやすいですが、うかつにお金を借りてしまうと高い金利で返済を請求され、しつこい取り立てで精神的にもダメージが大きくなります。
そもそも未成年が金融機関でのお金の借入れに関しては民法による制限が設けられています。

「年齢制限なし」「審査なし」「親の同意不要」でお金を借りられるカードローンは実在しない

金融機関では誰にでも無条件にお金を貸すのではなく、必ず年齢制限や申し込み条件が定められています。年齢制限なし・審査なし・親の同意不要でお金を借りられるカードローンは実在しません。
この業者は本当に信用できるのかどうか、気になる時はインターネットを活用して、貸金業登録番号を確認してみて下さい。貸金業登録番号のない場合は正規の貸金業者ではなく、違法な組織であると考えられます。

\未成年がターゲットになりやすい/
SNSを使って個人間でお金を借りるのは危険なのでNG

インターネットやSNSの普及にともない、掲示板サイトやSNSを通じて面識のない人同士が個人間でお金の貸し借りをする個人間融資によるトラブルが相次いでいます。

<ポイント>
・ 個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業に該当します。

・ 不特定多数が閲覧可能なSNS等で「お金を貸します」、「融資します」などと書き込んで、契約の締結を勧めることは、貸金業法の規定に抵触する場合があります。

・ 個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利での貸付けが行われるほか、更なる犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性があります。

引用元:金融庁 公式サイト「SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!」

具体的な実例を挙げると、以下の通りです。

事例1

掲示板サイトの書き込みを通じてお金を借りたところ高額な利息の支払いを求められた


生活費が不足し、他からの借入れができなかったため、個人間融資の掲示板サイトにお金を貸してほしいと書き込み、返事をしてきた人と直接会って計 15 万円を借りた。これまでに 50 万円以上返済したが、さらに 400 万円を支払うよう連絡がきた。相手は自分の住所を知っている。どうしたらよいか。

引用元:独立行政法人 国民生活センター

事例2

SNS でやり取りをして保証金を支払った後に連絡が取れなくなった


携帯電話料金の滞納などでお金を借りられるところがなく、SNS で融資をしてくれる人を募った。融資するという人が現れたので、SNS でやり取りをして 100 万円を借りることにした。保証金として 20 万円の融資に対して1万円が必要と言われ、5万円を支払ったが、その後、相手と連絡がつかなくなった。だまされたのか。

引用元:独立行政法人 国民生活センター

個人間融資などお金の貸付事業を営む際には貸金業者の登録を受けて正規の事業士やとして認可されなければなりません。これを怠った場合は無登録での営業とみなされ、貸金業法に抵触します。
インターネットの掲示板やSNSでは相手の本名や所在地、素性がわからず、連絡手段が限られています。急に連絡がつかなくなるケースも多く、最悪の場合はお金を失うだけではなく、個人情報が悪用される危険性もはらんでいます。

未成年でお金を借りる時のQ&A

18歳未満の未成年が実際にお金を借りる際にはさまざまな疑問があり、不安がつきまとうものです。ここでは未成年のお金の借入れに関するよくある質問と回答をご紹介します。

成人年齢(18歳・19歳)に達すれば、自由にどこででもお金を借りることができる?

答えは『×(一部除く)』です。

成人年齢が18歳に引き下がり未成年者取消権の対象年齢も変わったものの、大手金融機関では依然として年齢制限が変わっていないところが多いです。

18歳・19歳の成人年齢に達した人が利用できる金融機関

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金融機関名借入限度額年齢条件
プロミス500万円・高校生を除く18歳以上74歳以下で安定した収入がある人
・申込み時に18歳・19歳の人は収入証明書を提出
ろうきん500万円 (10万円単位)
※勤続年数1年未満の場合は最大50万円
・満18歳以上65歳未満
・原則として同一の勤務先に1年以上勤務している
・前年に税込み年収150万円以上あること
・自営業者・パート・契約社員も申し込み可
・収入証明書の提出が必要
カレッジ50万円
※18歳・19歳の学生は上限10万円 (追加融資不可)
・18歳以上 (高卒) の短大生・大学・専門学校生・予備校生など
・アルバイトの給料明細書・Web給料明細書・社名を確認できる通帳記帳など収入証明書の提出が必要
マルイ100万円・18歳以上 (18歳以上の高校生も要審査で借入れ可)
・学生・社会人の借入れ可
・19歳以下は収入証明書の提出が必要
イー・キャンパス学生 50万円
社会人 80万円
・18歳から30歳までの学生 (高校生は不可)
・直近2ヶ月分の給料明細書の提出が必要
親の同意があれば未成年でも消費者金融や銀行からお金を借りることができる?

答えは『×(一部除く)』です。

18歳未満の未成年の場合は、親の同意があっても銀行や消費者金融でのお金の借入れは原則としてできません。多くの金融機関では20歳以上で安定した収入が継続していることが申し込みの条件となっています。
親の同意が得られた場合に借入れが可能となるケースもありますが、ごく一部の金融機関に限定されています。
上記の一覧表で紹介した大手消費者金融のプロミス、学生ローンのイー・キャンパスやカレッジ、マルイでは申し込み時点で18歳以上の年齢に達していれば、保証人なしで申し込み可能となっています。
ただし、未成年の場合は返済能力や安定した収入が得られているか確認するために、収入証明書の提出が必須となっています。

結婚していれば未成年で親の同意がなくても自分名義でお金を借りることができる?

答えは『×』です。

そもそも18歳未満の未成年は民法改正に基づいて結婚自体ができません。また、結婚していること自体が「収入の安定や返済能力を有する」ことを証明できるものではありません。

従来の民法では成年擬制制度に基づき、年齢が18歳の成人年齢に達していない未成年が結婚した場合は、民法753条では成人として認められていました。しかし、2022年 (令和4年) 4月1日施行の民法改正により、成人年齢が満20歳から満18歳に引き下げられました。さらに民法第731条では「婚姻は男女ともに満18歳の年齢に達していない人は不可」となりました。
そのため、結婚による成年擬制に関する条文が民法改正では第753条が削除されました。これによって、18歳未満の未成年では結婚自体ができないということになります。

未成年なのに年齢などで嘘をついてローン契約したらどうなる?

金融機関でカードローンの申し込みの際に、年齢・勤務先・年収などで嘘の情報で申請すること自体が違反行為となります。たとえ申込み時に年齢で嘘の内容を申請した場合も、本人確認書類を提出する必要があるため、年齢をごまかすことはできません。

また、未成年者が契約を行う際の申し込みにあたっては、親の同意がない場合は契約の取消しにすることが可能となりますが、、未成年者が年齢や親の同意について嘘の内容を申告した場合は、相手に信じさせることを目的にした意図的な「詐術」とみなされるため、その行為に関しては取り消しができません。

未成年者の契約の申し込みは、親の同意がない場合には、取り消すことができる。

ただし、未成年者が、「詐術」を用いると取り消せなくなる。「詐術」とは、年齢や親の同意についてのウソ。

第21条 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

引用元:内閣省 広告と子どもの保護に関する制度 未成年者取消と「詐術」

監修者(ファイナンシャルプランナー)からのアドバイス

監修者(ファイナンシャルプランナー)からのアドバイス
この記事では、17歳以下の高校生や未成年者がお金を借りる方法、親の同意なしで借入れする方法というテーマで解説しました。
未成年の場合は、収入を得る手段がアルバイトなどに限られ、社会人としての経験も浅いです。返済能力が低いため、信用を得られにくく、お金の借入先を探しても選択肢が極めて少なく、単独での借入れは難しいです。お金が必要となった場合には金融機関が規定する申し込み年齢の条件を満たしておくことはもちろん、収入の安定を図り、返済能力を証明することが肝心です。

そこで、お金の借入れ前に心得ておくべきポイントについてアドバイスします。

●お金を借りる目的を明確にして返済計画を立てておくこと
お金の借入れ前に、お金を借りる理由や目的を明確化し、無理のない返済計画を立てておくのが基本です。
お金を借りる前に自分の収入・支出を今一度見直してみて、支出を減らす努力をしてみて下さい。アルバイトをして収入を増やしておくと安心です。お金を借りる場合は少額融資で、短期間で返済して金利の負担を軽減しましょう。

●未成年でもお金を借りるのは自己責任
未成年であってもお金の借入れは自己責任であり、借りたお金は必ず返済期日までに返すのが基本です。未成年向けに審査なしでお金の貸付を行う違法な業者に関わらないようにご注意下さい。

●【2022年から高校で金融教育が必修化】未成年のうちから金融リテラシーを身に付けておくこと
これまでの学校の教育では投資や資産運用など、お金について学ぶ機会がほとんどありませんでした。一方、イギリスやアメリカでは幼少期から小学生の子どものうちから金融リテラシーに関する教育がすでに行われてきました。
日本国内でも未成年のうちから金融に関する正しい知識を身に付けることの重要性が着目されるようになったことから、2022年度から高校の家庭科の授業で金融教育が必修化されました。

具体的な学習内容は主に以下の通りです。
・家計管理とライフプランニング
・お金を貯める・増やす・使う・備える・借りる
・金融関係のトラブル

金融リテラシーの高い人ほど金銭的なトラブルが少なく、家計の管理もしっかりできています。高校の金融教育で学んだことを活用しながら、自分の収支の状況を的確に把握して計画的に行動することが重要です。

成川由利子氏の詳細はこちら

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